遠洋まぐろ延縄漁業ってどんな漁業なの?

延縄漁船の1日は、延縄を海中に投げ入れる投縄で始まります。

遠洋まぐろ延縄とは、一本の長い縄(幹縄)に、
約3,000本の釣り針が付いた縄(枝縄)を漁場に設置して、
まぐろが釣り針にかかるのを待つ漁法です。

幹縄の長さは、全長100kmから150km程あります。
延縄漁船の1日は、延縄を海中に投げ入れる投縄で始まります。
投縄は、無線で位置を知らせるラジオブイや、
浮き玉を幹縄に付けつつ、枝縄にある釣り針に、
いかやいわしなどの餌を付けて海中に投入していく作業です。

投縄には、6~7時間を要します。投縄が終わると、2~3時間待って、
今度は縄を引き上げる(揚縄)作業を開始します。
揚縄では、かかったまぐろを引き上げるだけでなく、
縄の回収や、絡まった縄の修復などの作業も行うため、
12時間近くを要する作業です。

このほとんど丸1日にわたる作業を、乗組員たちは交替で行います。
漁獲されたまぐろは、エラ、内臓、ヒレを素早く処理し、
血抜きした上で、凍結庫で急速凍結させます。
凍結が終わったマグロは、船内の魚艙に移して冷凍保存されます。

一般の家庭用冷凍庫の温度はマイナス20℃ほどですが、
遠洋まぐろ延縄船は、凍結庫、魚艙ともにマイナス60℃という超低温です。
カチコチに凍結された後、超低温の魚艙で保管することにより、
釣りたての鮮度とおいしさを、みなさんの食卓へ届けることができるのです。