なぜ10月10日はまぐろの日?

 まぐろの歌

今から1300年ほど昔の奈良時代に、
山部赤人(やまべのあかひと)という
歌人がいました。
この山部赤人が、西暦726年(神亀3年)の
10月10日に奈良の大仏を建立したことで有名な
聖武天皇(しょうむてんのう)のお共をして
兵庫県の明石地方を訪れたときに、
まぐろ漁で栄えているこの地方をたたえて
読んだ歌が残っています。
この山部赤人の歌は、日本人とまぐろの
深いかかわりをしのばせる、
昔から有名な歌で、山部赤人が
この歌を読んだとされる日にちなんで、
毎年10月10日は「まぐろの日」とされています。

 

 

 

 

歌:山部赤人

やすみしし 我が大君の 神(かむ)ながら
高知らせる 印南野(いなみの)の 邑美(おふみ)の
原の荒たへの 藤井の浦に鮪(しび)釣ると 海人舟騒き
塩焼くと 人ぞ多(さは)にある
浦を吉(よ)み うべも釣りはす 浜を吉み うべも塩焼く
あり通ひ 見(め)さくも著(しる)し 清き浜 (長歌:山部赤人)
【意訳】
天下をお治めになる天皇陛下が、宮殿をお造りになる印南野の邑美の原の
藤井浦(今の兵庫県明石市)には、多くのマグロをとる漁船が行きかっていて、
塩焼き(海水から塩を作る仕事)をするたくさんの人々が浜に出ている。
良い海岸なので釣り人も多く、良い浜なので塩を焼く人々もたくさんいる。
天皇陛下が、ひんぱんに通いなされるのも、うなづけることで、なんと清らかな浜だろう。

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