組合長あいさつ

日本かつお・まぐろ漁業協同組合は、世界中の海でマグロとカツオを漁獲している大型のマグロはえ縄漁船、カツオ一本釣漁船の経営者を組合員とする漁業協同組合です。また、関連して燃料補給、外地寄港の手配、外国人乗組員の配乗支援、漁獲物の委託販売などを行う日本かつお・まぐろ漁業協同株式会社を有しています。

この漁業は、世界中で活動し、太平洋、大西洋、インド洋に及び、アフリカや南太平洋の国々の経済水域でも活動しています。その漁獲物を新鮮なまま急速冷凍保存し、日本のマーケットに生食用で提供しています。例えば、日本で食される刺身マグロの約3割程度は、当組合が提供したものと推定しております。(その他は、輸入、養殖、生マグロなど)

この冷凍のマグロとカツオが、海で漁獲され、皆様のお口に入るまで、漁業者以外にも非常に多くの方たちの協力を頂いていることをご紹介します。

まず、これらの資源は、資源を良好に保つため海域ごとに国際的な漁業管理機関が設けられ、資源評価、漁獲量・国別配分量の決定が決められていますが、この交渉は主に政府で行われています。この配分に基づき漁業を行うためには、船と人が必要ですが、船については、造船所で建造や修理、人については、日本人と外国人の方が乗船しています。また、外国人についてはインドネシアの方が多いですが、その確保のため現地の人材確保の会社と協力しています。日本人については、若い方の確保が難しく高齢化が進んでいるため、水産高校への募集活動やYouTubeを利用した募集を行っております。収入などは陸上より良く、若くても資格を持てば幹部になれ、外国の港にも寄港するので、是非若い方が入られることを希望しています。

この漁業では、いかにアブラの乗ったいいマグロ・カツオを効率的に取るか、漁獲物をいかに鮮度良く保持できるかがカギであり、そのため現場では、漁労長さんたちが漁場選択や仕掛け、餌に頭を絞り、また船上ではすぐ漁獲物をさばいて急速冷凍にかけております。水揚金額が良ければ、船員さんの給料に即反映されます。

世界中で活動しているため、燃料や食料の補給、漁獲物の転載、修理、乗組員の休養や交替のため、スペインやアフリカなどに基地を設けており、現地の関係会社とも取引を行っております。燃料は、洋上でタンカーから買うこともあります。

漁船又は転載船で日本に水揚げされた漁獲物は、売買契約した商社に引き渡されるか、焼津など産地の市場でセリ・入札にかけられ、そこから消費地の市場(豊洲市場など)やスーパーなどの小売店に行き、家庭及び寿司屋、ホテル・旅館などの外食で食されます。この間も、市場関係者、冷凍庫、トラックでの輸送など多くの方が携わっています。

遠洋マグロ・カツオ漁業は、日本の漁船が、日本の方々に刺身として食べて頂くため、遠い海で漁獲し、多くの方の協力で皆様に元にお届けしております。皆様には、このような世界で活動している漁船や乗組員、また多くの関係者の思いがあることをご理解いただきながら、美味しい天然のマグロとカツオを食べて頂ければ幸いです。

日本かつお・まぐろ漁業協同組合 代表理事組合長
日本かつお・まぐろ漁業協同株式会社 代表取締役社長